こんにちは。三回生の長田です。
前回に引き続き、今回も「紙コップの再構築」課題の発表でした。
一人目の発表者は早野さん。
『紙コップっぷ』という個性的な名前のこの作品は、大勢が集まる場で何となく気まずくなった際に紙コップを口に当てて誤魔化してしまう、という自身の経験から着想を得たもの。「モノ」としての紙コップではなく「行為」から発展させた点が面白いですね。
二人目は星さん。
こちらも名前が個性的な一品、『コップレックス』。少しでもコンプレックスと仲良くなるため、なんと自身のコンプレックスの化身であるコップレックスと生活を共にしたとのこと。皆さんのコップレックスを並べてみると、規格化された紙コップであるからこそ個性が際立ちますね。
三人目は宇野くん。
感情の視覚・聴覚への変換を狙った2種の作品、後者は『紙コップンプン』と命名されました。紙コップにそのままイヤホンが刺さっているだけの簡素な作りながら、人と人との間の関係が“ファンタジー”を通して作り出される様子が興味深いですね。
こちらが実際に使っている様子。もちろんイヤホンからは何も聞こえず、愚痴を吹き込んでも聞き手側に負担はありません。鬱憤がどこかへ消えていっているようでした。
三回生最後の発表者は三戸さん。
童謡『ふしぎなポケット』になぞらえた名前の作品『ふしぎな紙コップ』は、言葉で伝えられない気持ちを誰かと共有できるという、一種の“おまじない”を提起しています。当事者間にのみルールが共有されている、ということ自体に意味があるのかもしれませんね。
そして今回は、先輩方による発表もありました。
まずは思芸さん。
紙コップがいずれゴミとして捨てられることを逆手に取り、埋められた後に植物が芽吹く『生きている紙コップ』。この作品の存在そのものが環境に対するメッセージ性を持っているようでした。
そして最後を飾るのは内藤さん。
今回も独特な内藤ワールドが展開されていました。3作品が紹介されましたが、最初の2つは「副産物」だそう。
こちらは『紙コップ麻雀』。併置されるとただの紙コップが牌に見えるのだから不思議。
こちらは『紙コップロボ』。分離可能です。
そしてこちらが主作品、『KAMICOP』です。紙コップに関する犯罪を取り締まる警察組織「KAMICOP」の持ち物が、紙コップを使って作られていました。特に「拳銃」の劇的な挙動は感動モノでしたね。
発表後、先輩方により地球賞と宇宙賞が選ばれました。
今回の地球賞は高林さんの『紙コップししおどし』、宇宙賞は星さんの『コップレックス』に決定!
全体を通して見ると、様々な視点や筋道が紙コップを中心に展開されていて、そこに見方を転換する面白さがあるように感じます。また、今回の発表では紙コップと感情を結びつけた作品が多くあり、終わってみると心なしか紙コップが温かみのある存在に見えてきたような気もします。
次回は新課題、「小分親分何個分?こぶんおやぶんなんコぶん」の発表です。